ファストフードという産業がこの国のベイビーブーマーズと一緒に成長し、ベイビーブーマーズとポスト=ベイビーブーマーズも巻き込んで、アメリカから世界に蔓延してしまったのは、本当に残念なことです。
こう言うと語弊があるでしょうが、独断と偏見であえて言わせて頂けば、メイフラワー号でマサチューセッツに着いた人たちやバージニア州に来た人たちは、「食」にあまり拘らないイギリス文化をもたらしました。イタリア料理、フランス料理、スペイン料理、中国料理、インド料理...と文化の栄える土地には特有の料理が発達するものですが、どうもイギリス料理というものはあまり耳にもしませんし、口にもしません。そんな「味」に拘らない人たちがどどっと押し寄せてきて、原住民を蹴散らして栄えた国ですから、「味」や「質」よりも「速さ」や「効率」そして「量」に重きを置くファーストフードなるものが歓迎される精神的、文化的基盤があったのでしょう。
でも南部に行くと、ファストフードは決して早くないし、南部独特のファストフードチェーンもあり、これが結構美味しい。さすが、フランスやスペインの影響力。
ファストフードといえば、2002年にエリック=シュローサーがファストフードネイション(http://www.amazon.com/Fast-Food-Nation-Dark-All-American/dp/0060938455)というベストセラーを書いて久しいです。当時全米の大学でテキストとしてよく取り上げられ、たぶん現代人の必読書の一つと言っても過言ではないでしょう。マクドナルドがレーガン政権下でどのようにして経営を広げていったのか、どこで食べてもまったく同じ味の秘密とは何か、O-157の多発、不法移民の搾取、非人道的な食肉用家畜/家禽類の扱い方など、おどろおどろしい現実がレポートされいます。面白いのは、マックはファストフードのフランチャイズでありながら、実は不動産でがっぽりとフランチャイジーから儲けていたことです。政府に近かったので、誰よりも先に開発計画のうわさを嗅ぎ取っては、自家用機で空から値踏みをして先に土地を買占め、あとでフランチャイジーにその土地を売ったり、リースしたりしていたそうです。当のフランチャイジーは、小企業向けローンを政府から受けて、つまり私たちの税金で店を立ち上げ、マックから土地を買ったり借りたりして営業します。其のときに、マイノリティーを積極的に最低賃金で雇用する場合が多いのですが、この雇用努力に対して政府から奨励金が出る、つまりまた私たちの税金が投入されて、マックの運営を盛り立てているのです。店がつぶれてもマクドナルド本社が失うものは無く、政府からの借金が返せないフランチャイジーは「ごめんなさ~い、つぶれちゃった~!」でおしまいです。
一番馬鹿を見るのは私たち納税者で、安いと思って買っていたつもりが、あそこに店のローンや雇用奨励金などを足すと、実は20~30ドルぐらいのハンバーガーセットを食べてるのかも知れませんね。ちなみにフレンチフライも肉もみな合成香料で味と香りが統一されており、その合成香料のメッカはなんとニュージャージー州だそうです。
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