9.11の次の日、私はボーっとパジャマのままで午前中を過ごしていました。9.11はたぶん人生で一番長~い日でした。どうやって寝付いたのか、あるいは寝なかったのかさえ覚えていませんが、あの日の日中の行動はよく覚えています。12日、ピンポーンの音にはっとして玄関に行くと、YMさんが立っていらっしゃいました。何と其の日が初クラスの新しい生徒さんでした。顔も洗わずパジャマのままで応対した私は、何故かYMさんに拙宅に上がって頂きました。英語のクラスのはずが、9.11の話で終わってしまいました。YMさんの優しさに今でも感謝しています。
来る日も来る日も重い空気の中、家にいてもニュースは瓦礫撤去と遺体の収容、テロリストの話ばかりでうんざりしていた頃、私は自宅での英語クラスと、大学でクラスをとっていたことを随分と幸運だと感じました。あの時間だけは素直に自分自身でいることができました。
私のXがやっと出て行ってくれた日、KSさんがいつものように拙宅に英語クラスにいらっしゃいました。「さっき旦那が出て行ったの」と私が言ったそうです。覚えてませんでしたが、後からKSさんに思い出話をされて、再びインプットした内容です。KSさんにはかなりショックだったらしいのですが、私はKSさんといつもどおりクラスができて、たぶん淡々と其の日は終わったようです。其の次の日の朝、約10年ほど悩まされ続けた便秘がピタ~っと止まった驚きと感激を今でも覚えています。自分は平気なつもりでいたのに、実は体は敏感に警鐘を鳴らしていたことを知りました。
アメリカに来て、初めて家計の切り盛り、ファイナンスというものをやったのは、この別居のときからでした。義母が義父の死後、初めて小切手帳の帳尻合わせを習ったり、レストランでのお会計に躊躇する姿に自分の将来を見た思いがしてぞっとしました。その後大学で女性学も学び、精神的な自立のために経済的な自立がいかに大切なことか、痛い目に会いながらリアルタイムで勉強していました。そして離婚というやたらエネルギーを消耗するハードルを越えたあとに、Conflict Resolutionのクラスで「あ~こんな方法もあったんだ!」と驚くことばかり。目から鱗とは言いますが、あれほど鱗が落ちたらよっぽど良く見えるはずなのに、いまだにめがねがかかせません。最近は老眼もばっちり入ってますが。
クラスメイトの中には、家族で初めて大学教育を受ける人もいました。フルタイムで働いて、フルタイムで大学に通っているツワモノもいました。いったいあの子はいつ寝るんだろう?と、その信念の強さとスタミナ、若さを羨ましく、眩しく感じ、影ながら応援していました。65歳で卒業間近のクラスメートもいました。彼女は卒業後、教職に就くことを希望していました。普通は其の年で引退するのに、頑張るな~と感心、エネルギーを充電。祖父母の残してくれた遺産奨学金で学ぶ余裕のよっちゃんもいました。いろいろなタイプ、人種、信条、国籍、年齢の生徒が学ぶ中、一番衝撃的な発言はある白人学生が言った「私の母は売春婦です。」の一言でした。其のことと、自分の異性との付き合い方を比較して彼女なりの意見を授業の中で語ったのでした。まるで「私の母は教師、看護婦、銀行員、等...です。」と言う様にあっさりと「売春婦」という単語を公共の場で語った彼女の勇気に打たれ、クラス中が針の落ちる音も聞こえるかのごとくし~んとして聞き入ったのを今でも覚えています。さらに教授が”Thank you for sharing your thought with us."と普段の発言に答えるのと同じようにあっさりと言って、淡々と授業が続いていったことに何か物凄い感動を覚えました。この学生に対する噂話も陰口も一切聞きませんでした。これが大学なんだ!
シカゴ大学の経済学の授業に、教授がプロの売春婦を教壇に立てて学生たちに話をしてくれたと、上の娘が報告してくれました。今になってこの教授がステファン=レビッツであったことが判明しました。彼とスティーブン=ダブナー(この人の子供が、うちの下の娘と同じ学校に通っていて知りました。)の共著で”Freakonomics(邦題:「やばい経済学」)”というのが近年大ブレークして話題を色々と提供してくれてます。ダブナーのクリップは私の英語クラスの発展編でよく使わせてもらってます。いかんせん、上の娘が経済学を専攻しながら社会学に傾倒して行ったきっかけが、どうもレビッツ教授の影響だったらしいと、最近わかりました。お金よりも幸せの追求を、早いうちから見極めてくれたことを、私は嬉しく思います。
*今日のお勧めのYouTube:
Economics of Prostitution
http://www.youtube.com/watch?v=e71J4qOs9KE
*今日のお勧めのNews記事
Why Are People Dying to Bring You Dinner? The Shocking Facts About Our Food System
We hear of the sweatshops behind our computers, sneakers and other attire--yet the exploitation of farmworkers has become normalized.
March 30, 2012 |
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Cesar Chavez, the champion of farmworkers' rights who gets his annual day of state recognition this Saturday, must be rolling in his grave. It's been 37 years since Governor Jerry Brown, in an earlier life, signed the landmark agricultural labor relations act--and soon California legislators will debate whether to enforce rules to provide water and shade to the 400,000 farmworkers who harvest our food.
(全文はこちら:http://www.alternet.org/food/154775/why_are_people_dying_to_bring_you_dinner_the_shocking_facts_about_our_food_system)
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